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意外と知られていない脱毛症の一種、「円形脱毛症」と「びまん性脱毛症」のお話

恵比寿美容クリニック院長堀江義明

こんにちは、恵比寿美容クリニック院長の堀江義明です。前回のAGA (男性型脱毛症) に続き、今回は「円形脱毛症」や女性に多い「びまん性脱毛症」についてお話したいと思います。最近、「抜け毛が増えた」「髪の毛が薄くなってきた」といった悩みを抱えている方は、もしかするとこれらの脱毛症が関係していることもありますので、ご覧ください。

発症した人の約80%が1年以内に完治する「円形脱毛症」

突然、髪の毛が抜け落ち、円形や楕円形の脱毛斑が生じる疾患を「円形脱毛症」と言います。 円形脱毛症と聞くと、「10円はげ」のような一部分に限定した脱毛をイメージするのではないでしょうか。しかし、その種類は、1-2か所に限定する「単発型」、3か所以上の「多発型」などがあり、さらに、頭部全体や眉毛やまつ毛、体毛にまで脱毛が進行する「汎発性脱毛症」と呼ばれるものもあります。 単発型などの軽度な症状であれば、数か月で自然治癒することもありますが、多発型では1年以上、汎発性脱毛症では、治癒するまでに長期間必要とすることが多いようです。

円形脱毛症の原因の一つとして、自己免疫疾患が考えられます。免疫とは、通常、細菌やウイルスなどの外敵から身を守ろうとする働きです。しかし、免疫に異常が発生する自己免疫疾患では、免疫を調整するリンパ球が誤って自分の毛包を攻撃・破壊してしまうため脱毛が起こるのです。

また、円形脱毛症の原因には、内分泌障害、自律神経障害などが考えられています。これらの症状が頭皮の血行不良を引き起こし、毛根に栄養が届かないため脱毛が起こると考えられています。対処法としては、頭皮マッサージや栄養バランスの良い食事、適度な運動で頭皮の血行を促進することが考えられます。しかし、自己判断で対処すると症状が悪化する可能性があるので、専門医の指導を受け、正しい治療を行うことが大切です。

軽度の円形脱毛症は自然に治ることが多いですが、再発しやすいことが問題です。脱毛部位の毛包は、活動を停止しているだけの場合が多いです。そのため、自己判断で対処するのではなく、一刻も早く専門医に相談することをおすすめします。

女性の多くがかかる「びまん性脱毛症」

びまん性脱毛症は、特に30代中盤以降の女性に見られ、頭皮の全体に脱毛症状が発症する病気です。髪の毛にコシがなくなり、全体のボリュームが少なくなるので、髪形が決まりにくくなり、実年齢より老けた印象を与えることが多いようです。

びまん性脱毛症の主な原因は、女性ホルモンの減少が関係していると考えられています。そのため、女性ホルモンの分泌量を安定させることで改善が期待できます。食事療法であれば、良質なたんぱく質を含む食材(大豆、おから等)を摂取すると良いと言われています。また、その他の治療法としては、直接、女性ホルモンなどの有効成分を体内に取り込む治療法もあります。
びまん性脱毛症のもう一つの原因として、頭皮の血行不良があげられます。そのため、円形脱毛症で説明したような対処法を行うことで、改善が期待できます。
内科や外科などにかかる疾患とは異なり、脱毛の悩みは人に打ち明けにくいですが、一人で抱え込むことがストレスとなり症状を悪化させることがあります。少しでも異変を感じたら、できるだけ早く専門医に相談することが重要です。