

ニキビ、ぶつぶつ、シミ…背中が汚い悩み、どうすれば?
専門医に聞く「背中ケア」
キャミソールやオフショルなど、背中が開いたコーデを楽しみたい季節。でも、気になるのが背中のニキビや黒ずみ、ぶつぶつ。シミひとつない「きれいな背中」を目指すためにはどうしたらいいのでしょうか。背中ケアのコツを専門医に聞きました。
教えて下さったのは…

皮膚科・形成外科医/フェミークリニック 総院長
北山 英美子 先生
東邦大学医学部を卒業後、東邦大学形成外科に入局する。
渋谷フェミークリニック開院後、現在ではフェミークリニック全7院の総院長を務める。まだ「美容皮膚科」の名称が浸透していない黎明期に開院を果たし、今日の美容皮膚科の先駆者でもある。
※ヤーマンより依頼したコメントを抜粋・編集の上掲載しています
なぜ背中はトラブルを抱えやすいの?
実は、顔に次いで皮脂分泌が多いのが背中。衣類などで摩擦を受けやすい場所でもあり、トラブルを起こしやすいのだそう。
「とくに夏は皮脂分泌や汗が増えるため、背中に汚れが付きやすい状態に。また、肌を出す機会が多い人は紫外線も多くなるのでよりダメージを受けやすくなります。背中は顔に比べてターンオーバーのサイクルが遅いため、肌が生まれ変わるのに時間がかかります。背中ケアは時間をかけて行うのが基本。そのため、日頃から“予防”の意識を持つことが大切です」と、北山先生。
汚い背中、4つの正体は「ニキビ・シミ・うぶ毛・毛孔性苔癬」

※ 写真はイメージです
ブツブツしていたり黒ずんでいたり。背中汚れの正体は主に4つある、と北山先生は指摘します。
「まずニキビですね。20~30代の人に多く見られます。次にシミ。以前に日焼けしたものが蓄積してシミになり、色素沈着を起こしたもの。それからうぶ毛。背中が毛深い人はつるんとした背中には見えにくい。そして、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という皮膚疾患。これは、角質が毛穴に詰まることで生じるブツブツ、ザラザラとした発疹のこと。遺伝もありますがホルモンバランスの乱れが影響するとも言われています」
これらは複合的に起こっている場合もあるのだそう。それぞれの対策をご紹介します。
①背中ニキビ対策

皮脂分泌が多く、汗で蒸れていることもあるので、まずは清潔を心がけること。
「汗拭きシートを使う場合は、エタノール(アルコール)フリーのものがおすすめ 。肌が弱い人は肌荒れの原因になることがあります。そして、お風呂では背中をゴシゴシこすらないこと。バリア機能が低下し、さらにニキビができやすくなります。ボディソープを泡立てて、背中に泡を載せるだけで十分です。
どうしても汚れが気になる場合は、綿のタオルでやさしく洗いましょう。シャンプーは先に済ませて、体は最後に洗うこと。シャンプーの成分などが背中に残っていると、ニキビの原因になります」
また、ロングヘアの人は髪も肌への刺激に。できるだけ背中に髪があたらないように工夫しましょう。
②シミ対策
できてしまったシミは、クリニックでケアするのが最善策。大事なのはシミを「つくらない」こと。
「背中が開いた服やオフショルダーのトップスなどを着る場合は、必ず背中にも日焼け止めをつけましょう。スプレータイプのものだとつけやすいですよ。また、白いTシャツなどで長時間外にいる場合も、背中に日焼け止めを塗っておきましょう」
また、ターンオーバーを促すためにしっかり眠る、ストレスを溜めないなどの生活改善も実践してみましょう。
③うぶ毛対策

※ 写真はイメージです
背中は意外とうぶ毛が多い箇所。脱毛がおすすめです。
「ムダ毛が多いと、摩擦でからまったり毛穴に汗や皮脂が詰まって炎症を起こすことも。自己処理をする場合は、カミソリの刃による肌荒れに気をつけましょう。できればクリニックで医療レーザー脱毛を受けることをお勧めします」
④ブツブツ(毛孔性苔癬)対策
いわゆる「サメ肌」のようなザラザラした背中は、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の可能性も。
「皮膚の毛穴にブツブツした『皮疹(ひしん)』ができるのが特徴です。毛穴に古い角質が詰まったり、皮膚が硬くなって部分的に盛り上がっている状態。
対策は皮膚を乾燥させないこと。夏はエアコンが効いた室内に長くいることが多く、肌が乾燥しています。お風呂上りなどに背中に保湿ローションをつけましょう。こちらも日焼け止め同様、スプレータイプがおすすめです」
いずれもケアするには時間がかかります。背中ケアは「予防」が大切だと覚えておきましょう。
セルフケアでは難しい、できてしまった背中汚れの治し方
できてしまった背中汚れを治すには、クリニックでケアするのがおすすめ。北山先生のクリニックでできるメニューをいくつかご紹介します。

ニキビケア
・ケミカルピーリング
薬剤で角質を溶かし、肌表面に蓄積された古い角質を取り除いて、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」を促進する治療法。
・クロモライト(光線治療)
強力な殺菌作用がある光線を照射することで、炎症をひきおこすアクネ菌を殺菌して炎症を抑えます。
ニキビ跡ケア
・ダーマペン
極細ニードルを使って肌に微細な穴をあけることで、生まれつき備わっている傷を治そうとする力(創傷治癒作用)によってコラーゲンやエラスチンを大量に生成させる治療法。
・フォトSR(AC)
ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌作用を持つ青色の光エネルギーと、抗炎症作用効果のある赤色の光エネルギーのダブル波長で、赤ニキビや赤みのあるニキビ跡をケア。繰り返しニキビができてしまい、赤くニキビ跡として残っている人におススメ。
シミケア
・レーザートーニング
低出力のレーザーをお肌に当ててメラニン色素の分解を促進することで、色ムラを改善する治療法。シミの中でも治療が難しいとされる肝斑や色素沈着、くすみ、毛穴と様々なお悩みに効果的。
・ミラノリピール
TCA(トリクロロ酢酸)を核としたピーリング剤を使用。ボディに塗布し、余分な角質を除去。くすみや黒ずみ、ザラつきを改善する効果が期待できます。
その他、フォトSR(AC)も。
うぶ毛ケア
・医療用脱毛
医療用レーザーを照射することで、皮下の毛根周囲にある発毛組織「毛乳頭」にダメージを与えます。毛穴が縮小することで美肌効果も期待できます。
毛孔性苔癬ケア
ニキビケアやシミケア同様、ケミカルピーリングやダーマペン、ミラノリピールなどの治療法が効果的。
もっと知りたい、背中ケアのQ&A
背中ニキビができやすい人、できにくい人がいるのでしょうか。
顔にニキビができやすい人は、背中も同様にできやすい傾向があります。また、オイリー肌、汗をかきやすい人、乾燥肌の人も背中ニキビができやすいと言えます。
結婚式でウエディングドレスを着るために、背中ケアをしたいです。式のどれくらい前から始めればよいでしょうか。
半年前を目安に始めてください。また、夏にきれいな背中で水着などを楽しみたい場合は、前年の秋くらいからケアを始めましょう。
残ってしまったニキビ跡やシミを消すことはできますか。
消すことは可能です。ただし、セルフケアでは難しいのでクリニックにご相談ください。

背中を洗う際に、ボディブラシを使ってもいいですか?
できるだけ刺激を与えない方が良いのでブラシはおすすめしません。手洗いで泡を広げるくらいでも汚れは落とせます。
夏に日焼けをした場合、皮膚科を受診したほうがよいですか?
日焼けは火傷と同じなので「日焼けぐらいで…」と思わずに皮膚科を受診してください。塗り薬で早めに炎症を抑えると、先々のシミ予防になります。
敏感肌の場合、機能性インナーを控えたほうがよいでしょうか。
機能性インナーに限らず、着用した際に痒みがあったり蒸れが気になる場合は、肌に合っていない可能性があります。通気性が良く、肌触りのよいものを選びましょう。
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