

髪のエイジングケア、いつから始める?
髪の老化チェックリストと、プロが教える髪のケア
うねりやパサつき、ツヤのない髪が気になり始めたら「髪のエイジングケア」の始めどき。扱いにくい髪を劇的に変えるホームケアのコツを髪のプロに話を聞きました。
※ 本記事におけるエイジングケアとは、年齢に応じたお手入れのことを指します
教えてくださったのは…

ヘアライター/コラムニスト
佐藤 友美 (さとゆみ) さん
日本初のヘアライター。約20年のヘアライター人生で、約4万人、200万カットものヘアスタイル撮影に立ち合う。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、日本はもとより、海外でも美容師向けの講演を行い、セミナーを受けた美容師はのべ3万人を超える。著書に『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(かんき出版)などがある。
※ヤーマンより依頼したコメントを抜粋・編集の上掲載しています
加齢と髪の関係

※ 写真はイメージです
年齢を重ねると、髪のスタイリングがうまくいかなくなったり、パサついたりツヤ感を失ったり。白髪や薄毛も増えてきます。なぜ髪は変化するのでしょうか。
「加齢によって女性ホルモンが減ってくると血流が悪くなります。東洋医学では髪を『血余』と呼びます。全身にたっぷり巡った血液の余りが髪の毛に運ばれるという考え方。血流が悪くなると髪をつくりだす毛母細胞に栄養が届かず、健康な髪が育ちにくくなるのです」(佐藤友美さん、以下同)

さらに、髪の成長サイクルの乱れも。
「髪は『成長期→退行期→休止期』のサイクルを約4~6年で一周し、髪を育てます。ところが、加齢により毛周期が短くなるのです」
「年齢を重ねると、肌のターンオーバーが遅くなるのと同じように、髪をつくる細胞もサイクルが乱れてきます。毛周期が短くなり、太く元気な髪が育つ前に抜けてしまうのです。さらに、成長期に血行不良で栄養が届きにくくなると細い髪しか育たなくなる。本来は、1つの毛穴から太く健康な髪が2~3本生えているのが理想ですが、薄毛の人の頭皮を見ると1つの毛穴から細い髪が1本しか生えていないような状態です」
髪悩みは年代によって変わる
佐藤さんは「女性の髪は人生で3回変わるタイミングがあります」と話します。それは、初潮のあと、出産後、そして更年期を迎えてから。
「髪は女性ホルモンと密接な関係があり、その変化によって髪も変化します。ただし、年代別でみると、髪が傷む原因や変化の特徴も異なります」
20代:紫外線やカラーリングなど、外部刺激で髪や頭皮を傷めているケースが多い。
30代:出産した人は産後脱毛に。妊娠中の10か月の間に抜けるはずだった髪が、出産後に一気に抜けるのが原因。髪質が変わる人も。
40代:うねり、白髪悩みが増えはじめる。頭皮(とくに顔まわり)の毛穴がたるむことにより、うねり毛が増加。
50代:老化によるあらゆる原因が複合化し、薄毛、白髪、うねり、パサつきなど扱いにくい髪に。

※ 写真はイメージです
「出産した人は『育児でヘアケアに手が回らない』という人が少なくありませんが、時間に余裕ができて丁寧にケアをすると見違えるように髪がきれいになります。それだけケアは大事ということです。40代以降は、健康な髪が育ちにくくなるため髪悩みが増えてきますが、こちらも頭皮ケアや生活習慣の見直しでインナーケアを心がければ、髪の老化をゆるやかにできます」
髪のエイジングチェックリスト
1つでも当てはまるものがあれば、髪のエイジングケアの始めどきです。
- 分け目やつむじが目立つように感じる
- 以前に比べて指どおりが悪くなったと感じる
- 髪が広がり、パサついている
- 頭皮がかゆい、あるいは乾燥している
- 白髪やアホ毛が増えた
「髪のケアは早い方がよいとされています。20代でも当てはまるものがあったら、ヘアケアをしっかり行いましょう。とくに家系的に薄毛の傾向にある人は遺伝の可能性もあります。育毛剤を使い始めるのも早すぎることはありません」

- 分け目が気になる人は、毎日分け目を変える。分け目が紫外線を浴びないように
- 指どおりが悪い人は、無理にブラッシングしない。ヘアミルクなどで保湿を
- パサつき、広がりが気になる人はトリートメントをたっぷり行って
- 頭皮にかゆみがある人は、シャワーの温度を下げる。38℃を目安に。ゴシゴシ洗わない
- アホ毛対策は、櫛の柄の部分に固めるスプレーをかけ、柄で毛をなじませる。抜くのはNG!
髪のエイジングケア 9つのコツ
髪質を改善しようとケアに力をいれるのも大事ですが、それ以上に早く結果が出るのが「見た目」を変えること。うねりを抑え、ツヤ感を取り戻し、まとまりのある髪にする佐藤さんおすすめの方法をご紹介します。
1. シャンプーを正しく行う
「髪を洗うのではなく、頭皮を洗うこと。流れるシャンプー剤やお湯だけでほとんどの髪の汚れは落ちています」
1. お湯の温度は38℃前後に
2. シャンプーの前にお湯だけで予洗いを約2分。髪全体を湿らすように
3. 頭皮を洗う。スカルプブラシなどを使うと血行促進になり、汚れもスッキリ
4. トリートメントをつけ、しっかり流す
「朝シャンよりも夜のシャンプーがおすすめです。髪を守る皮脂は夜の間に分泌するため、朝シャンプーすると髪がすっぴんで出かけるような状態になり、傷みやすくなります」

※ 写真はイメージです
2. ドライヤーを正しく使う
「これさえ正しくできれば、髪悩みの大半を解決できるというくらいにドライヤーの使い方は重要です。すぐに変化を感じられるので、今日からやってみてください」
1. お風呂から出たら、すぐに乾かす。濡れた髪はキューティクルが開いているため傷みやすく、髪内部の成分がどんどん出てしまう
2. キューティクルの「うろこ」をめくらないように、頭頂部から下に向かって風をあてる。
下からあおるように乾かすとキューティクルがめくれてしまい、ツヤ感のない仕上がりに
3. 乾き残しがないかチェックして、最後に冷風でキューティクルを閉める
「頭頂部から乾かすと『髪がぺたんこになる』と、下から風を当ててふんわり仕上げる人がいますが、乾かすこととスタイリングは別。乾かす際は、ドライヤーは上からが鉄則です。そのあとに、スタイリングでふんわり仕上げてください」
3. ブラッシングを習慣に
「頭皮の血行促進や汚れを落とすのにブラッシングは有効です。クッション性のある頭皮用ブラシを使いましょう。毛先のもつれは先にやさしくとかしてから」
4. 紫外線対策を忘れずに
「紫外線は頭皮や髪のダメージの原因になります。日傘や帽子でブロックしましょう。UVスプレーをかけるのもおすすめです。とくに分け目は紫外線が当たりやすいので要注意!」
5. 白髪染め/ヘアカラー
「カラーもかなりのダメージに。全体染めは年に2~3回程度に抑え、それ以外の時期は根もとだけのリタッチをするようにしましょう。ジアミンフリーのカラートリートメントも、しっかり染まる商品がたくさん出てきています」
6. 出先でも髪の保湿を
「エアコンの風でも髪や頭皮が乾燥します。実際、風が当たる側だけドライヘアになっている人も。オフィスなど出先でもヘアミルクやバームなどをつけて保湿すると、手触りや見た目の印象が変わります」
7. 頭皮マッサージ
「髪悩みを抱えている人は、頭皮が硬くなっているのも特徴です。定期的に指の腹でマッサージをして、血行促進し、やわらかい頭皮を目指しましょう。髪の土台を整えるのは、美髪の基本です」
8. 摩擦のない枕カバーを

※ 写真はイメージです
「寝ている間の摩擦は、想像以上に髪にダメージを与えています。シルクやポリエステルなど、つるんとした生地の枕カバーを使いましょう。枕にパイルタオルなどを巻くと摩擦が強いので避けた方がよいでしょう。モデルさんたちはシルクの枕カバーを愛用している人が多いです」
9. 生活習慣を見直す
「髪によい食べものはありますか?と聞かれることがあります。髪の材料になるたんぱく質は必要ですが、大事なのはバランスのよい食事。健康になるような食事が、結局は髪にもよいのです。そして血液をしっかり循環させるために運動も重要です。また、ストレスをためないことも。私の例ですが、大きなストレスがなくなってから白髪が格段に減りました」
いかがでしたか?髪のエイジングケアは毎日の積み重ね。自分の髪が大好きになるように、正しいヘアケアを取り入れてみましょう。
さとゆみさん教えて!ヘアケアQ&A
おすすめのスペシャルホームケアはありますか?
「“シャントリトリ”がおすすめです。つまり、シャンプー+トリートメント2回。シャンプーの後、トリートメントをしたら1回流して、再度トリートメントをしてみてください。いつもよりリッチな仕上がりになりますよ。
もうひとつおすすめなのが、ホームケアではありませんが美容院で月に1回くらいトリートメントをしてもらうこと。それだけで髪の扱いがすごく楽になります。合う合わないもありますので、1回試してみて自分の髪に合うようなら続けてみてください」
シャンプーの選び方ってありますか?
「実は、シャンプーの良さは値段に比例しています。つまり、値段が上がるほどにグレードの高いシャンプーが多いということ。一方で、トリートメントはそんなに差がありません。私のおすすめはトリートメントよりもシャンプーに投資をすること。また『しっとり系』がいいのか『ダメージ系』がいいのかなど種類がわからないときは、美容師さんに一度『私の髪には何が合うのか』と相談してみてください」
ドライヤーの熱は髪にダメージ?
「いいえ、乾かさないことの方がダメージにつながります。髪はたんぱく質でできています。たんぱく質は熱を与えると形が変わる性質があるため、キューティクルも閉じる方向にドライヤーの熱を与えることが大事。ドライヤーで素早く乾かしてキューティクルを閉めてください。熱の与え方を間違うと『自然乾燥の方がマシ』になるくらい、大事なポイントです。また、『お風呂上りにドライヤーをかけるのが暑い』という人もいると思いますが、蒸し暑い洗面所ではなく、エアコンの効いた涼しい部屋でドライヤーをかけるのもおすすめですよ」

※ 写真はイメージです
まとめ
髪の老化ケアは“何歳から”ではなく、チェックリストに当てはまるものが1つでもあれば、髪のエイジングケアの始めどき。「髪の老化」は誰にでも訪れるものですが、ヘアケア次第で髪は変えられます。いつまでもつややかでふんわり髪を楽しみましょう。
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