紫外線対策 & アフターケア 日焼けによるシミ・シワ・たるみを予防しよう

2023.11.08(WED)

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日本人のオーラルケア事情とおすすめグッズ

アメリカ・ヨーロッパに比べると日本人の口腔ケア、予防歯科は遅れをとっていると言われて久しいですが、にしかわデンタルクリニックの西川博史先生も「日本人はまだまだ歯のケアが足りていない」と話します。
気がついたときがはじめどき!オーラルケアの基本と最新おすすめグッズを知って、厚生労働省と日本歯科医師会が提唱する、80歳で20本の歯を残す“8020(ハチ・マル・二イ・マル)”を目指しましょう。

お話を伺ったのは…

西川博史 先生

にしかわデンタルクリニック 院長

1979年北海道北斗市生まれ。2004年 東京歯科大学を卒業後、埼玉や茨城の歯科医院に勤務したのち、2010年3月に東京都世田谷区に『にしかわデンタルクリニック』を開院。2023年7月に日本睡眠学会歯科専門医に認定。※1

CONTENTS 01

日本人の大人はほとんどが
歯周病?

「30代以降の8割が歯周病にかかっていると言ってもいい」と、歯科医の西川先生は言います。
歯周病とは、細菌の感染によって​​歯のまわりに炎症が起きる病気のこと。
これほどまでに歯周病が多い原因のひとつに、“痛み”が出ないことが挙げられます。
さらに40代以上になると歯周病が悪化した“歯周炎(歯槽膿漏​​)”になっている人が増え始めるのだとか。

歯槽膿漏とは、歯と歯ぐき(歯肉)の隙間(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう状態。
歯茎が腫れたり膿が出たり、最悪の場合歯が抜けてしまいます。
これらの疾患は、歯ブラシやフロス、歯間ブラシの適切な利用などのオーラルケや定期的な歯科検診で防ぐことができます。
また、歯周病になっていたとしても早めの対策で歯の健康を取り戻すことは可能です。
ではなぜ大人は歯のトラブルが増えてしまうのでしょうか。

CONTENTS 02

大人世代、特に40代以降から
歯のトラブルが増えるのは
なぜ?

西川先生曰く、女性は妊娠すると歯のトラブルが増えていく傾向にあるとのこと。
「妊娠中は妊娠性歯肉炎に気をつけていただきたいです。
女性ホルモン(エストロゲンなど)の変化によって、歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなると言われています」
さらに、つわりなどで歯みがき習慣が乱れ、歯周炎になりやすくなってしまうのだそう。
「出産後も子どもを優先にする生活になってしまい、自分のオーラルケアが後回しになってしまいがちなんです」
昔は“一子を得ると一歯を失う”と言われていましたが、母になるとオーラルケアに手が回らなくなることから来た“いわれ”なのかもしれません。

また、見落としがちなのは、夫婦・家族間での食事…!!
「親の虫歯菌が感染るから……と子どもと食器を共有しない、口移しをしないなどが当たり前になりましたが、実は見落としがちなのは夫婦・家族間の感染です。
子どもとは気をつけていても、夫婦・家族間で食べ残しを食べたり、食器などを共有したりし続け、数年後、気がつくとどちらかの虫歯菌が感染ってしまっているケースも多いんですよ」
意外なところに原因がある虫歯や歯周病の感染。
自分の口腔内にどんな菌が潜んでいるのか、歯科クリニックで検査できるそうなので、一度チェックしてみるのもおすすめ。
また、40代以降は加齢などで唾液の量が減ってしまい、ドライマウス化が進みます。抗菌作用があり、酸で溶かされた歯のエナメル質をもとに戻す歯の再石灰化作用がある唾液が減ることで、歯周病や虫歯になりやすくなるので、より注意が必要です。

CONTENTS 03

歯周病、虫歯、口臭の原因を
オーラルケアグッズで
取り除こう

歯周病、虫歯、口臭の原因は磨き残しが原因となるプラーク(歯垢)
これは食べ物の残りカスが歯に付着し、細菌が繁殖することで生じる固まり。このプラークは粘着力があり水で溶けないため、うがいだけでは取ることはできません
歯ブラシを使った正しいブラッシング、歯と歯の間に詰まったプラークをフロス、または歯間ブラシで取り除くことが基本のオーラルケアです。
「歯医者や歯科衛生士が歯磨き指導をしても、次第に手癖や慣れで正しいブラッシングができなくなってしまう方が多いです。
70%くらいの方はプラークが取れていないですね」と西川先生。
歯科医で3ヶ月に一回、定期検診・歯石取りなどこまめなチェックをすることで、歯周病、虫歯になる確率がぐんと下がるのだそう。定期的なケアが疾患を防ぎます!

CONTENTS 04

まずは歯茎の健康度を
チェック

ここまで読んで、自分の口腔内に不安を感じた方も少なくないのでは?
まずは歯茎をチェックしてみましょう。赤みや腫れがあったら要注意。さらにフロスや歯間ブラシで出血が確認されたらかなり危険!
出血が確認されたら歯周病と見て間違いありませんので、すぐに歯科を受診しましょう。 さらに痛みを感じるようなら神経まで菌が進行している可能性が高く、歯を失う原因に。急いで病院へ来てください」
厚生労働省のe-ヘルスネット※2 による歯周病のセルフチェックリストも有益なので、確認してみましょう。
次のような症状が1つでもあったら、歯周病の可能性があります。

  • 朝起きたときに、口のなかがネバネバする。
  • 歯みがきのときに出血する。
  • 硬いものが噛みにくい。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉がときどき腫れる。
  • 歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた。
  • 歯がグラグラする。

CONTENTS 05

入れ歯や歯周病を防ぐ、
正しい歯みがき、
デンタルフロスのコツ

次に、西川先生に正しい歯みがきのコツを聞きました。

正しい歯ブラシの使い方

  • 優しい力でこする
  • 歯と歯茎の間の歯周ポケットに歯ブラシのヘリを入れるように傾ける
  • 歯を磨く順番を決めて、一方通行で磨く
  • 歯の裏は歯ブラシのかかとを使って丁寧に
  • 奥歯の隙間は専用のヘッドが小さいものを使うと尚良し

すぐに歯ブラシが開いてしまう人は、強く擦りすぎの可能性が。また、一方通行で磨くことを心がけると、磨き残しが防げるため、磨く順番を決めるとより良いそう。

歯ブラシのヘリが歯と歯茎の隙間の歯周ポケットに入るように。そして優しくマッサージをするようにこする。

歯の裏側は歯ブラシのかかとを使って、丁寧に。

磨きにくい奥歯は、専用のヘッドの小さいブラシで汚れを取ることをおすすめ

正しいフロスの使い方

デンタルフロスは糸状のものがおすすめ。
40cmくらいにフロスをカットし、人差し指に巻きつけることで歯の隙間のプラークを除去しやすくなります。この際、歯のヘリに沿って糸を動かすのがポイント。
もし糸が歯茎から外れなくなったとしても、指から糸を解けば簡単に糸が抜けるのもメリット。

糸状のデンタルフロスが苦手、という方は歯間ブラシでもOK
しかし歯間ブラシが入らない箇所は、無理にやらないで、と西川先生。
傷つけて出血してしまう方が歯茎にとってよくないので、可能な範囲で歯のヘリに沿ってブラシをあて、プラークを除去していきましょう。
この後、口腔洗浄液などの液体でゆすぐのもいいでしょう。

正しい糸状デンタルフロスの巻き方

CONTENTS 06

落としきれない汚れに威力を発揮! 口腔洗浄機とは?

さらに口腔環境を良くするために、最近話題のグッズ一歩進んだオーラルケアをしてみませんか?
それが、食べカスやプラークを水の力で除去する口腔洗浄機
「プロの私でも歯ブラシとフロスをした後に、口腔洗浄機を使うと、取りきれなかった汚れが出てくるほど威力があります。
また市販の歯磨き粉のほとんどに研磨剤が入っているため、歯磨き粉を使いすぎると、歯の表面のエナメル質が削れて、虫歯になりやすくなることも。
口腔洗浄機は水の力だけで汚れを落とすので、その点も安心です」と、西川先生も太鼓判。

CONTENTS 07

口腔洗浄機で歯のトラブルを予防しよう

口腔洗浄機でプラークが取れるの? 威力はどれくらい? 話題の口腔洗浄機が気になるけどまだ未体験、という方のために、ライターが実機を使って試してみました。

口腔洗浄機の使い方

口腔洗浄機には据置タイプとコードレスタイプがありますが、今回は持ち運びが自在なコードレスタイプをお試し。
充電が完了したら、ノズルを取り付け水を入れる。たったこれだけで準備完了。
西川先生に使い方を聞いたところ、「歯茎に沿って一方方向にノズルを動かすのがポイント」。

歯の隙間にノズルを充てる

歯周ポケットに沿って、ノズルを動かす

口腔洗浄機を初めて使った感想と注意点

はじめて口腔洗浄機を使ってみたところ、さっぱりスッキリ! 西川先生が語っていた取りきれない汚れも目視で確認できました。しかし、初心者だからこそ気づいた注意点もいくつか発見。

思った以上に水の勢いがある

水流の力で汚れを落とす口腔洗浄機は、思った以上に強い水圧で最初はびっくり。いきなり1番強い設定にせず、まずは試しに水流をチェックしてから、口の中にセットしましょう。ちなみに勢いはあるけど痛みはありませんでした。※3

電源のオンオフを意識する

口の中を口腔洗浄機で掃除しているとき、洗浄機をオンにしたまま口からノズルを外すと、洗面所を水で濡らしてしまうことも。口から外すときは必ず電源をオフ
慣れるまではお風呂場(注:防水タイプのみ)で練習をするのがおすすめ。

口腔内の水の処理の方法

最初の方は口腔洗浄機を使っていると徐々に口の中に水が溜まり、吐き出すタイミングが掴めず、電源をオンにしたまま口から外してしまって、大慌て……! なんてことも。例えば奥歯から前歯までノズルを進めたら、一度水を吐き出す。など、自分の中でルールを決めて使用するとスムーズに使いこなせるようになります。

最初はおっかなびっくり使っていた口腔洗浄機も、4日も使い続けると慣れてきて、このスッキリ感を味わうと今では手放せないほどの存在に! 西川先生も1日2回は使っているとのこと。
コンパクトタイプは外出先でも使用可能。例えば、出張先や旅行先にも持っていくのもおすすめ。インプラントや矯正をしている人には必ず使って欲しいグッズです。なお、治療中の歯がある方は医師へ相談してから使用ください。

まとめ

予防歯科で健康寿命を伸ばそう

「歯に対して意識を高く持っている方は、80歳を過ぎてもちゃんと歯が残っていて、快活な方が多い印象です。
最近では、歯周病が糖尿病、肥満、心筋梗塞、認知症などの疾患とも関係、誘発をしているという研究も進んでいます。
自宅でのオーラルケア、歯科クリニックでの定期的な検診を行うことで、歯のみならず、全身疾患の予防にもなります」
と話す西川先生。最近ではインプラント治療などもずいぶん発達していますが、やはり自分の歯を大切にすることで、生涯の歯の治療費をぐんと下げることもでき、結果的に節約にも。
インプラントや入れ歯に頼らず、最後まで自分の歯を保つために、そして健康を保つためにも気がついた日から適切なグッズでオーラルケアを始めましょう!

※1 ヤーマンより依頼したコメントを編集の上掲載しています
※2 歯周疾患の自覚症状とセルフチェック | e-ヘルスネット(厚生労働省)​​
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-003.html​​
※3 個人の感想です。個人差があります

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