DOCTORS COUNSELING

DOCTORS COUNSELING | 2022.12.13

キーワードは「摩擦レス」  皮膚科医が教える、肌トラブルシューティング – Vol.2 しわとたるみ/高橋 栄里先生

vol.2  しわとたるみ/高橋 栄里先生〔CLINIC by E(クリニック バイ イー)〕

 

Photo:Kenta Nagoshi

ドクターに肌悩みの解決のヒント教えてもらう本シリーズ。今回は、年齢を重ねると起こるしわとたるみについて、高橋 栄里先生にインタビュー。「ヤーマン」ミネラルエアー担当者が、高橋先生が勤務される「CLINIC by E(旧イークリニック麻布)」にお邪魔してお話を伺います。

Vol.1「シミと肝斑」はこちら

 

(右)CLINIC by E(旧イークリニック麻布)統括院長 高橋栄里先生  https://dre-cli.com/clinic/
(左)ヤーマン株式会社 ミネラルエアー担当 赤坂真央

 

しわとたるみの三大要因

―患者さんのさまざまなお悩みの中でも、しわが気になるという方は特に多いのではないかと思います。しわにも、いろいろな種類があるのでしょうか。

高橋 栄里先生(以下 高橋先生):  しわには、比較的初期段階ともいえるちりめんじわや表情じわ、また、たるみによるしわもあり、それぞれできる要因が異なります。

 

―そうしたしわはなぜ目立つようになるのですか。

高橋先生: しわやたるみができるのは、1.乾燥、2.紫外線、3.加齢 の3つが大きな要因です。

1.乾燥

乾燥により、肌表面の水分が失われることによって「ちりめんじわ」が現れます。これは、しわの比較的初期の状態です。

2.紫外線

紫外線の影響で起こる皮膚の老化を「光老化」と呼びます。「光老化」では、皮膚(真皮)にある肌のハリを保つ線維が破壊されることにより弾力性が欠け、皮膚が厚くゴワゴワになり、深くて直線的なしわが現れるのが特徴です。紫外線はシミの原因となるだけでなく、コラーゲンを破壊することで肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因になります。

3.加齢

皮膚周辺の組織は「骨・筋肉・皮下脂肪(皮下組織)・真皮(皮膚)・表皮(皮膚)」の5つの層から成り立っています。骨の萎縮や骨の形そのものの変化によって筋肉や脂肪、皮膚の構造に影響を及ぼし、全体的に緩んでくる。 そうするとたるみやしわも目立つようになります。

 

―皮膚だけでなく、骨や筋肉といった構造が関係しているんですね。クリニックでは、これらに対し、どのような治療を行うのでしょうか。

高橋先生:ボトックス注射やベビーコラーゲン注射、メソセラピーガンによる注入治療が効果的で、症状の進行の予防にもなります。またその方の状態によって、マイクロニードルによるラジオ波照射を組み合わせたり、CO2フラクショナルレーザーといった施術を行うこともあります。

 

―よりダイレクトに患部にアプローチする処方ですね。こういった治療の期間中、いわゆるダウンタイムのケアはどのようにしたらよいのでしょうか。

高橋先生:物理的な摩擦が生じないような方法を指導します。クレンジングや洗顔時にゴシゴシこすらないように、またファンデーションをつけるときも極力圧をかけないようにという注意をします。針を使う施術の場合は特に、こすったり肌を刺激したりすることで炎症が起こり、回復が遅くなります。それを防ぐことで、早く治るような環境をつくる必要があります。

 

ホームケアとして開発したドクターズコスメ

―高橋先生が開発されている化粧品も、摩擦を起こさないというのがポイントなのでしょうか。

高橋先生:そうです。ホームケアとしてプロデュースしたクリニカルトータルケアブランド「dr’s room(ドクターズルーム)」は、肌に素早くなじんでメイクや毛穴の汚れを落とすクレンジングや、洗いながら潤いを与える洗顔料、そして肌リズムを整える基礎化粧品です。「日々の積み重ねで自分らしく輝ける“ヘルシーな綺麗”をつくる」というコンセプトのもと、20年以上にわたる美容皮膚科医、発毛診療医としての知見と実績をもとに肌の負担になる成分をできるだけ使わず、本当に必要な美容成分にこだわって開発しました。

 

―使ってみたくなりますね。しわやたるみの対策を考えるにあたっては、デイリーケアではどのようなことを重点的に行うとよいのでしょうか。

高橋先生:保湿・洗顔・紫外線対策・肌代謝・抗酸化成分などに気をつけケアしていくとよいでしょう。

 

―肌代謝、ターンオーバーのことですね。これに気をつけるというのは具体的にどういうことですか?

高橋先生:人の肌はだいたい28日前後の角質が剥がれ落ちて生まれ変わります。これをターンオーバーと呼びますが、この代謝の働きが一定のサイクルでスムースに行われるように促すことが重要になります。角質層に働きかける治療を行ったり、そのための成分を配合した化粧品を使ってもらったりすることが多いですね。AHAといったピーリング的な要素のあるものやレチノールなどが、効果が期待できます。

 

 

正常なターンオーバーのために

―ターンオーバーが正常でないと肌はどのような状態となるのでしょうか。

高橋先生:ターンオーバーが乱れると肌のカサつきや毛穴のつまり、色素沈着など肌トラブルの原因になります。身だしなみとしてポイントメイクやファンデーションは必要ですよね。それなら、落とすケアがとても重要。メイクだけでなく余分な皮脂や汚れなど、酸化の要因になるものをきちんとオフして肌をリセットするという習慣をつけていただきたいですね。

 

―肌の働きを高めて、肌そのものの力をつけるということですね。

高橋先生:そうすることで肌のバリア機能も正常に保つことができます。また、乾燥は肌代謝の乱れの大きな要因なのでそれを防ぐことも大事。乾燥しがちな方は、ベースメイクも粒子が細かいものを選ぶといいと思います。

 

―粒子が細かいとヨレにくいし、肌にふんわりつくので負担も少ないですよね。

高橋先生:特に季節の変わり目はバリア機能が低下して肌がゆらぎ、ささいなことがダメージになります。そういうときに特に摩擦や刺激は厳禁。肌を休ませ、整えてあげることが大事です。人の肌にはもともと、自ら潤いで満たして保湿する力が備わっています。たるみやしわも、きっかけはやはり小さな肌トラブルから発展するもの。それを極力避けて肌の土台をしっかりとつくってあげることで、たとえば試したいコスメを心おきなく試せるような、ヘルシーな肌環境を整えてあげるといいですね。

 

(※ヤーマンより依頼したコメントを編集の上掲載しています)

 

肌への負担が少ないファンデーション

「ミネラルエアー」を体験してみませんか?

簡単に始められる!

ミネラルエアー スターターセット

詳しくはこちら

OTHER BEAUTY JOURNAL

DOCTORS COUNSELING | 2022.12.13

キーワードは「摩擦レス」  皮膚科医が教える、肌トラブルシューティング – Vol.1 シミと肝斑/高瀬 聡子先生

READ
BEAUTY COLUMN | 2022.12.13

秋におとずれる肌の変化
「乾燥」と向き合う

READ